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2006年10月30日
つくりゃあいいってもんじゃないだろう!パスポート電子申請システム廃止
今日のYahoo! ニュースに出ていた「旅券のネット申請、2年で幕…40億かけ利用300件」に関連して、制作者側だけの理屈と理由でできてしまったサイトの行く末について考察してみよう。
9月末ですでに閉鎖してしまった同システムだが、1件あたりのコストパフォーマンスが1600万円だったとのことだが、廃止なった今では、これにシステム利用の違約金などが加算されてさらなる費用負担になることは間違いない。
■そもそもこのシステムは誰が利用するためのものだったのか
「e-Japan重点計画」だかなんだかわからないが、国の申請システムのオンライン化を進める計画のもと、構築されたこの「パスポート電子申請システム」は、
つくりゃあいいんでしょ!
と言わんばかりのザルシステムだった訳で、利用者の利便性なり、利用者の行動分析なり、周知活動なり、対象ユーザー数の確保なり、まったくもって無計画だったと言っても言い過ぎではないあきれたシステムではなかったか。
そもそも、対面で行う旅券発行のプロセスに則ってシステム開発している事が第一の間違い。実際に運用していた都県は、
2006年3月現在の利用者133人の内訳
岡山県(04年3月運用開始37人)
熊本県(05年5月・9人)
栃木県05年3月・6人)
長崎県(05年4月・8人)
茨城県(05年4月・18人)
宮城県(05年5月・12人)
埼玉県(05年7月・31人)
群馬県(05年10月・6人)
香川県(05年10月・5人)
福岡県(06年3月・1人)
と地方が中心で、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡といった大都市が対象でなければペイできるわけもない。
賛同しなかった各自治体も、費用対効果を考えて参加しなかったと聞く。
一方で参加した自治体の実情でいうと、インターネットという特殊な媒体を利用する場合の普及環境やインターネットに対するリテラシーだったり、加味しておかなければならないことが全く考慮されていなかったのではないかと勘ぐりたくなる実数ではないだろうか。
■エクスペリエンスのないページに誰がした?!
Webサイトに訪れるためには、そのページに興味を持ってもらわなければ実現できない。そういう意味でのユーザベネフィットは、このシステムにもあったんだろうが、ユーザが体験できる「価値」はそこにあっただろうか。
七面倒くさいシステムの果てには、結局は窓口に行かないと発券してもらえない旧態依然とした体制があり、窓口に足を運ぶ回数が2度から1度になったとしても本人認証などの手間などを考えると、関心が薄くなった原因であり、利用されなかった理由でもあると思う。
お役所仕事としてかたづけてしまえばそれまでだが、結局のところシステム会社から見たら、クライアントが出す要件にそって開発をしただけのWebサイトはタダの箱に過ぎない。
クライアントがいう要件がすべて正しい訳ではない。クライアントは自分のいる環境からしか物事を見られないために、ある意味閉鎖的なものの見方をしてしまいがちで、そこを指摘して、かつ最良な環境を提案するのが私たちWEBクリエイターたちの役目と言えよう。
WEBサイト存在の意義と、そこに求められるユーザの利便性を考え、どんな仕組みならユーザがより便利になりもっと広くいろんな人々に利用してもらえるようになるか……。こんな事は、目くじらたてていう以前の話ではあるのだが。
■一般的なWebサイトにも言えること
ふつうのWebサイトでは、このような大規模なシステムを伴うことなど頻繁にあるわけではないが、小さなWebサイトを作る上でもユーザ視点での制作は絶対に欠かせない。
システム開発に限って言えば、フルスペックでもっとも使い勝手のよい形を提供できるに越したことはないが、利用者あってのシステムであり、利用者の利便性がすべてであるわけで、システムと実際のユーザ側の負担を考慮してルールの改定やサポートの充実も図らなければならないでしょう。
一般的なWebサイトでは、特にトップページなどで、情報が多岐にわたっていたりプロセスが多いWebサイトであるならば、ユーザの立場にたったシミュレーションが必要である。情報発信者側は時として盲目であり、言いたいことだけを並べ立てて満足してしまうからだ。
価値ある情報も、多くの情報の中では埋もれてしまい、ユーザの目にとまることなく流されてしまう可能性があることをしっかりと認識してサイト制作に取り組むべきである。
情報の性質や、ユーザが求める利用頻度などによって、ページ内での配置や色・大きさも考慮しなければならない。同じ情報・同じボタンでもページの右にあるのと左にあるのとではまったく利便性が違うということを、クライアントにも理解していただき、安易な情報提供にならないようにしてあげることが肝要である。
■参考
利用者視点に欠けていた行政サービスの実例--パスポートの電子申請
今、あえて提言する「パスポート電子申請は“廃止”すべきではなかった」
投稿者 continue_kozai : 2006年10月30日 17:42
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