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2006年10月27日
電通「鬼十則」に学ぶクリエイター魂
広告業界をはじめとして、その名言が響き渡る電通4代目社長吉田茂雄の「電通鬼十則」。
電通マンたるものの心構えを説いたものだが、
ここに掲げる精神は、本来クリエイターが持つべきクリエイティブ魂とも言える教訓が詰まっている。
■電通鬼十則
一.仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
一.仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
一.大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
一.難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
一.取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
一.周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
一.計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
一.自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
一.頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
一.摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
■むしばんで行くデジタル業界
デジタル化が急速に進む昨今にあって、デザインを志す若い世代も急増し、業界としても賑わいを見せている一方で深刻な人材難が僕らの首を絞めている。
気づいている人も多いはずだが、このデジタル化時代が「怠慢で大味なクリエイター」の温床になり、「自己満足と自己顕示欲」が強い「勘違い野郎」を生み出している。
カタカナ商売の代表として、たびたびテレビドラマでも登場するデザイナーという職業は、決して華やかなものではなく羨ましがられる商売でもないのに、そういったことに夢を描き、デザインの門をたたく人が多い。しかし、本当であれば、こうした勘違いした輩は厳しい現実に淘汰されて行くのであろうが、実際にはその逆の現象が起きているという事実は嘆かわしい限りだ。
急速に拡大した行ったデジタル社会は、猫も杓子もデジタルクリエイターになれる時代を作り上げ、ちょっとグラフィックソフトが使えればデザイナーとして採用され、ソフトウェアが作る「偶然の産物」を作品と呼び絶賛され、法外な給与が与えられて虚像としての「実績」を築く。
もともと、デザイン業界は師弟関係の上に成り立つ、とても厳しい業界だった。下積み経験も長く2年や3年はずっとこき使われて、黙々と使いっ走りに奔走して自分の時間などない。
■積極的思想と自分を戒めることができる強い精神力
だからこそ、デジタル化時代の前を生きた諸先輩方は少しの時間を惜しみ勉強し、先輩の仕事っぷりをつぶさに観察して盗める技術はしたたかに盗む。夜遅くまで会社に残ってはこっそりとデザインの練習をする……。少しでもいい仕事があれば喜んで飛び込み、寝る間も惜しんで仕事に没頭したものである。
また、酒を飲んではデザイン論で同僚と言い合い、一方では他人のデザインや広告を餌に酒を飲む。
そのデザインの意図は何なのか。自分ならどんなレイアウトにするかどんな書体を使うか。自問自答し、自分の技術の鍛錬に余念がない。
最近では裁量労働が当たり前になり、ヒヨッコでも一人前に扱われて自己管理をさせられる。
労働条件の改善はありがたいことではあるけれど、「体調不良」を理由にして簡単に仕事を休んでしまえる土壌にもなって、仕事にしがみつく気力なりやる気が損なわれていないだろうかと心配の方が多い。
こんな時に、電通鬼十則に巡り会った。
与えられた仕事に与えられた目標のみをクリアーするだけの人、
トラブルや余計な仕事を恐れて、自分からはアプローチしたがらない消極的な人、
ミスを怖がり、自分のできること考えられること以外はやりたがらない人、
質や問題意識を問われると開き直る人、
自分の失敗やミスを認めずに他人からの影響だけをひたすらにアピールして自分を正当化する人
こうした人たちは、業界には不要といってもいい。
戦略や思想もないまま、クライアントの言いなりになったりクライアントの間違いを正せなかったりするのではなく、しっかりとした自分としっかりとしたデザインの方向性を見定めて、
いつどんなタイミングで、どんなアプローチを仕掛け、どこで間違いを正し、どこで飛躍のアプローチを作るか、自分自身の意識を研ぎ澄まし、自分自身の野心を大きく持つことで、圧力や重圧にも耐え、新しい自分とすばらしい飛躍した未来を手にすることができるでしょう。
■今回のコンティニュ的こころ
ボクが書籍にサインを求められたときは、必ず「こだわりこそが、デザインの質を上げる」と書く。
ボクにとっての信念とも言える決意だ。
少しでも時間があれば、少しでもこころに余裕があれば、少しでも上を目指す。
そのために、つらい思いをすることがあっても、
自分が生み出し、世に送り出すデザインには最大限の自信を持ち、作るこころの手は緩めない。
これは、自分自身へのこだわりと自分自身への戒めでもあるけれども、
クライアントへの忠誠とクライアントへの最大限のプレゼントでもある。
投稿者 continue_kozai : 2006年10月27日 08:37
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